マラセチアは、カビの仲間であるマラセチア属の酵母様真菌が、異常繁殖を起こす事によって生じる真菌性皮膚炎です。

マラセチア酵母菌は、皮脂を栄養源にして繁殖する性質があるため、マラセチア性皮膚炎の犬の多くは、皮脂の多い体質である事が多い傾向にあります。
そのため、マラセチア酵母菌による皮膚疾患を、脂漏症または脂漏性皮膚炎と呼ぶ場合もあります。


犬のマラセチア
皮膚や被毛の除菌、殺菌、消臭に

マラセチアの治療

 

マラセチアの治療は、薬用シャンプーや抗真菌シャンプーによって皮膚や被毛を洗浄したり、抗真菌剤を使用して、マラセチア菌の繁殖を抑制する処置が行われます。

 

耳の中にも感染が及んでいる場合には、耳垢を取り除いて清潔に保ち、耳の中にも洗浄液や抗真菌剤を使用してマラセチア菌の繁殖を防ぐ処置が行われます。

 

皮脂の分泌量が多い体質(脂漏体質)の場合には、皮脂がマラセチア菌の栄養源となって増殖しやすくなるため、こまめに皮脂を拭き取るなど、入念にお手入れを行う必要があります。

 

シャンプーは頻繁にやりすぎたり、溶液の成分が強すぎる場合には、皮膚が乾燥したり炎症を起こすため、かえって皮脂の分泌量が多くなる場合がありますので、十分注意が必要です。

 

また、脂分の多い食事によって、皮脂の分泌が促される場合もありますので、皮脂の少ないフードへの変更など、食事の見直しを行う事も大切です。

マラセチア性皮膚炎による、皮膚の痒み、フケ、腫れ、発赤、色素沈着、赤み、黒ずみ、乾燥、湿疹、かさぶた、皮脂異常、脱毛などの病変について